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ホーム > しんきん経済レポート >2008年No.10 住民が裁判員に選ばれる確率

住民が裁判員に選ばれる確率

司法制度改革の一環として、国民が刑事裁判に参加する「裁判員制度」が平成21年5月から始まる。静岡県西部地域の住民(御前崎市の一部地域を除く)は静岡地裁浜松支部で行われる裁判員裁判に参加することとなる。裁判員裁判の対象となる事件は殺人罪、強盗致傷罪、放火罪、誘拐罪等の重大な犯罪である。

裁判員は次のように選ばれる。まず、20歳以上の有権者の中から翌1年間分の裁判員候補者名簿が作成され、裁判員候補者名簿に記載された住民に対し通知がいく。事件ごとに候補者名簿の中から、50人〜100人程度の裁判員候補者が選ばれ、裁判の6週間前までに候補者に質問表と呼出状が送られる。候補者は裁判当日、裁判所へ行き(事前に辞退が認められた人を除く)、裁判長らとの面談、コンピューターによる抽選を経て裁判員6人が選ばれる。

それでは、どれくらいの確率で裁判員に選ばれるのか、平成18年の浜松支部での対象事件数を例にとって試算してみる。まず、県西部地域の有権者は約98万人である。平成18年の浜松支部管内の対象事件は19件であり、1事件あたりの裁判員候補者を100人とすると、1年間で必要となる裁判員候補者は約1,900人となる。この時点で、約500人に1人(0.19%)の確率で裁判員候補者となる。そして、最終的に114人、約8,600人に1人(0.012%)の確率で裁判員となる。ただ、補充裁判員が最大6人まで選任されることになっているため、これを加味すると約4,300人に1人(0.023%)が裁判員又は補充裁判員に選ばれ、3人の裁判官とともに法廷にたつことになる。

グラフ:地裁浜松支部管内の有権者のうち裁判員候補者となる人数(1年間)

【出所】裁判所ウェブサイト、日本弁護士連合会、静岡県選挙管理委員会各種資料よりしんきん経済研究所作成

※対象事件数は平成18年事件数、選挙人名簿登録者数は平成20年3月2日時点の選挙人名簿登録者数

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