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ホーム > しんきん経済レポート >2008年No.21 浜松市三大産業の変遷

浜松市三大産業の変遷

浜松市は工業の街として、特に三大産業と呼ばれている輸送用機器(主に自動車、オートバイ)・楽器・繊維の企業が集積している都市として知られている。しかしこの三大産業、下記のグラフを見てみると共存していた期間は意外に短い。

戦前にあたる1935年の工業出荷額に占める割合は繊維工業が全体の7割を占めていた。楽器の出荷額はまだ3.5%、輸送用機器の出荷額はなかった。1965年になると繊維が2割以下へ大きく低下するなか、楽器と輸送用機器の割合が大幅に上昇した。この1960年前後の時期、三大産業が比較的均衡して存在していたといえる。2000年になると繊維ばかりか楽器出荷額の割合も大幅に低下。繊維、楽器の両方とも、工業出荷額に占める割合はそれぞれ10%を割ってしまった。一方輸送用機器の占める割合はさらに高まり全体の半分近くを占め、現在では浜松市の基幹産業と言われるまでに成長した。このように産業は時代や社会の求めるニーズの変化とともに移り変わっていく。

輸送用機器を中心とした産業が集積する浜松。企業の「モノ作り」技術は高く、国際競争力にも優れている。ただ現在、輸送用機器産業は激しいコスト競争、新興国における生産技術の追い上げなど同産業を取り巻く経営環境は厳しさを増している。

変化の目まぐるしい今日、浜松の産業が高い国際競争力を維持していくためには、既存企業に対しては経営革新や新たな事業展開へのサポートが引き続き必要になるであろう。また同時に起業家やベンチャー企業を積極的に支援し、社会のニーズにあった新産業が産まれる環境を整備することも、浜松が世界をリードする産業の集積地として地位を保つためにも欠かすことはできないであろう。

図:浜松市三大産業の工業出荷額の推移

【出所】工業統計調査、浜松市統計書よりしんきん経済研究所作成
   2005年調査は旧12市町村合併後の製造品出荷額を基に算出

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