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ホーム > しんきん経済レポート > 2009年No.13 急増する失業手当の受給者

急増する失業手当の受給者

県西部地域の景況感が落ち込んでいる中、ハローワーク浜松管内で、職を失い雇用保険の失業手当を受け取る人が1万人に迫っている。21年度5月時点における失業手当の受給者は9,976人と過去最高水準を記録。1年前に比べ約3倍以上も増加しており、失業手当受給者数の推移から見てもこの1年間で当地域における雇用環境が急激に悪化したことがわかる。

今後は失業手当の給付期間終了を迎える人が増加していくため、失業手当受給者の減少が予想される。失業手当受給中に次の仕事が見つかれば問題ないが、受給期間終了後も職が見つからなければ家計はもちろん地域に与える悪影響も大きい。5月のハローワーク浜松管内の有効求人倍率は0.31倍と過去最低水準を更新しており、新たな職探しには厳しい状況が続く。

企業側も雇用助成金制度の利用や、ワークシェアリングを導入することにより雇用を維持しようとしている。当研究所が行った調査でも、正社員の雇用に関しては維持しようという企業の割合は多い。雇用助成金制度、全国緊急保証制度融資等は雇用を維持しようとする企業へのサポートとして一定の効果はでている。ただ今後も企業が雇用を維持拡大していくために、行政に求めるサポートとして「雇用助成金制度の充実」や「資金繰り」に対する支援だけでなく「各種税制の優遇」や「社会保険料負担の軽減」等を求める声も多い。

グラフ:失業手当の受給者数の推移(各年度5月)

出所: ハローワーク浜松資料よりしんきん経済研究所作成

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