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ホーム > しんきん経済レポート > 2009年No.17 県西部地域の高校生就職戦線

県西部地域の高校生就職戦線

静岡県労働局によると、本年度1回目(7月末)の集計となる県西部地域の高校生(平成22年3月卒業者)の求人倍率(※)は0.77倍であった。7月末現在では1人の求職に対して0.77人程度の求人しかなく、今年度の高校生の就職活動は厳しい出だしとなっている。

求人倍率が1倍に満たなかったのは県内3地域(西部・東部・中部)とも平成16年以来5年ぶり。特に西部地域の今年7月末の求人倍率は、昨年7月末と比べ1.49ポイントの大幅な低下となり、下げ幅では県内3地域の中で最も大きくなっている。県西部地域では7月の有効求人倍率も0.29倍と過去最低水準の状態が続いており、高校生は今後も厳しい雇用環境の中での就職活動を強いられるであろう。

好況時は大企業に多くの人材が流れてしまうが、不況下で雇用環境が厳しい今、地元中小企業にとっては逆に、企業の将来を託すことができる新卒高校生を獲得する絶好の機会となる。そのためにはまず高校生に地元の中小企業への興味を持たせ、そこで働くことの意義や利点等を示す必要があろう。その中で地域の中小企業、学校、信用金庫などは連携して高校生と中小企業が交流する場を提供している。今後もこのような活動を通して高校生に地元中小企業で働くことの魅力、楽しさなどを伝えることが中小企業の人材獲得に繋がるであろう。

グラフ:地域別求人倍率の推移(高校生・各年7月末時点)

出所: 「静岡労働局統計資料」を基にしんきん経済研究所作成

※求人数を求職者数で割ったもの

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