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ホーム > しんきん経済レポート > 2010年No.17 バス乗客数と自動車保有台数

バス乗客数と自動車保有台数

環境保全が社会の要求となる中、CO2排出量の削減が求められている。CO2の部門別排出量によると、自家用自動車を含む輸送部門のCO2排出量は、全体の20%弱を占めている。これを減少させるための方策としてバス、鉄道といった公共交通の利用促進が求められている。今 回は、浜松市内のバス乗客数と自動車保有台数の推移について調査した。

バスの乗客数は遠鉄バスの年間の乗客数を採り、昭和62 年以前は浜松市営バスの乗客数も加えている。自動車保有台数は合併後に大きく増加していることから、保有台数を人口で割った1 人当たりの保有台数でグラフを作成した。

グラフから分かる通り、両者は反比例の関係にある。モータリゼーションにより市民の自動車保有台数が伸び、これに伴いバスの利用が少なくなっている。バスの利用は昭和50 年前後には年間8,000 万人の利用があったものが、現在では3,200 万人程度の利用と、半世紀で60%の減少となっている。

浜松市は、1997 年には日本初のオムニバスタウンとして指定され、バスを活用した街づくりを進めている。通学路線では学校に直行する「モーニングダイレクト」を導入するなど、地域の利便性を高める活動を行っている。乗客数は激減しているものの、官民一体となった活動を継続してきている。

前述の通り、公共交通機関であるバスは、鉄道と共に、CO2排出量削減の方策として期待されている。世界では電気をエネルギーとしたバス交通網の研究も進んでいる。我が国で進む「高齢化」においては「交通弱者」という言葉も生まれ、山間部・過疎地域の人員輸送手段としてバスの負う役割について改めて見直しが始まっている。ここまで一貫して輸送人員が減少してきた浜松市内運行バス。新たな社会的使命をまとい、輸送人員の減少に歯止めが掛かることを期待したい。

グラフ:市内バス乗客数と自動車保有台数
浜松市統計書より研究所作成

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