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ホーム > しんきん経済レポート > 2010年No.18 都道府県庁所在市・政令指定都市のぎょうざの消費量

都道府県庁所在市・政令指定都市のぎょうざの消費量

「ぎょうざの街、浜松、年間消費額2年連続で全国2位」
この発表は総務省統計局による“家計調査”に基づくもの。総務省では家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査しており、これを年間消費額に引き直した。発表は浜松市が政令指定都市となり、年間の消費額算定が可能となった2008年、2009年を対象とした調査の結果。

これによると、都道府県所在市及び政令指定都市中のぎょうざの消費金額が多い都市は、2009年の調査で、宇都宮市、浜松市、鹿児島市、千葉市、京都市という並びになっている。実際の消費金額はグラフからも判別できる通り、宇都宮市と浜松市が突出しており、2009年の数値では、両市のみ4,000円以上の消費額、3位以下は3,000円未満と圧倒している格好である。

では、両市の消費額はというとどうだろう。2008年は差額1,043円で宇都宮市が消費額全国1位、2009年も宇都宮市が全国1 位となったものの、その差は僅か50円となっている。家計消費支出の内、どの程度ぎょうざに支出しているのかを表す“ぎょうざの消費割合”はどうだろうか?調理食品支出に占める餃子支出の割合は2009年家計調査の資料で、宇都宮市4.14%、浜松市3.44%となり、質・量とも宇都宮市が餃子消費全国1 位であるという結果であった。

「宇都宮市、浜松市のみ年間消費額4,000円以上、3 位以下と1,000円以上の開き」という事実から、両市にとって“ぎょうざ”という食材が食文化として定着していると想像できる。今後も、両市の特色を活かした“ぎょうざ文化”の発信を行うことで、地域活性化の一助と成り得るだろう。
しかし、「浜松、ぎょうざ年間消費額2 年連続で2 位」とう事実に、わが町浜松の経済成長を支えた祖父母、父母、彼らの団欒のテーブルに、我々も日々食する“ぎょうざ”が置かれていたのではと思いが馳せる。「キャベツをふんだんに使い甘味がある」のが特徴の“浜松ぎょうざ”…。甘い味の向こうに、経済成長を支えた汗と涙の隠し味も感じぜずにはいられない。

グラフ:都道府県庁所在市ぎょうざの消費
浜松市統計書より研究所作成

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