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ホーム > しんきん経済レポート > 2010年No.20 静岡県西部地区の海外展開企業数

静岡県西部地区の海外展開企業数

中国を含めた東南アジアの経済成長が著しい。そんな中、海外でビジネスを展開する企業が増えている。大手輸送機器メーカーが存在する静岡県西部地域※1。県西部地域の企業※2 の海外展開の状況はどうなっているのだろう。

静岡県産業部では毎年4月1日現在の静岡県内企業の海外展開の状況を調査し「静岡県内企業海外展開状況調査報告書」にまとめている。報告書は業種別、企業規模別、企業立地別、海外進出先等、様々な切り口で県内企業の海外展開をまとめている。報告書に県西部地域の海外展開企業数、事業所数がまとめられているので紹介しよう。

グラフは県西部地域の平成5年からの海外展開企業数をまとめたもの。報告書に沿って、大企業と中小企業に分けてみた。グラフを見て分かる通り、県西部地域の海外展開を行っている企業数は右肩上がりに伸びている。全体の伸びは、大企業の海外展開数はほぼ横ばいとなっていることから、中小企業の海外展開数の増加が大きく寄与していることが分かる。

この傾向は海外展開“事業所”数で見ても同様。1企業当たりの海外展開事業所数は、大企業においては8〜9事業所、中小企業が1.3〜1.6事業所と、平成5年から大きな変化は無い。海外展開“事業所”数の増加も、海外展開“企業”数同様に、海外展開を行う中小企業の増加が要因であることが分かる。
進出先ではやはりアジアが大きく伸びている。事業所数で見ると、平成11年からの10年間の比較で、北米、欧州が横ばいで推移する中、アジアは33.9%増加している。現在の進出地域もアジアの比率が高まっており、平成21年度では全体にしめる割合は65.7%と半数を超え、中国1国でも31.3%を占めるに至っている。

「中小企業が海外展開など、夢のまた夢…」と考える、経営者、管理職の方々もまだ多いかもしれない。しかし、チャンスを求め積極果敢に海外に進出する企業数が確実に増えていることも、自社が置かれている経営環境の一つにあることを忘れてはならないだろう。

グラフ:静岡県西部地区の海外展開企業数
※1:浜松市、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市(新居町含む)、御前崎市、菊川市、森町
※2:本社又は主な活動拠点を有する企業

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