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ホーム > しんきん経済レポート > 2011年No.3 原油価格と円高

原油価格と円高

工業都市浜松。世界的輸送機器メーカーの発祥の地としても知られ、現在でも輸送機器製造の一大拠 点を成している。その中でも自動車の製造、特に軽自動車の製造の比率が高いことは改めて言うまでも ない。軽自動車の魅力の一つに「低燃費」が挙げられる。原油価格※1 と軽自動車の販売台数には、相関 関係※2 が見られ、原油価格の動きが浜松経済に影響を及ぼしている。原油価格と軽自動車の関連につい ては後日、報告するとして、今回は、最近の原油価格の動向を表してみよう。

原油価格は20〜40 ドルの間の価格を形成していたが、新興国の経済発展に合わせるかのように価格は 上昇傾向にある。近年では2006 年1 月を100 として指数化すると、リーマンショック直前の2008 年6 月に2 倍の価格に跳ね上がり、そこからリーマンショックを経て1/4 まで価格が低下した後、昨年末時点 では2006 年1 月に比べて約1.3 倍の価格に上昇してきている。

この間に円ドル為替相場は円高傾向となっている。日銀の量的緩和解除が2006 年3 月、その後の円最 安値124 円が2007 年6 月であるが、ここから現在の80 円前半の円高水準まで一本調子に上昇している。 先の原油価格に為替相場のレートを掛け合わせ、円換算の金額(2006 年1 月を100 として指数化)を表してみると グラフの通りとなっている。

驚いたことにリーマンショック後の円換算原油価格は2009 年6 月頃から横這いとなっている。これは ドルベースとの価格動向と明らかにかけ離れておりドルベースが1.3 倍の価格になっているのに対し、円 換算原油価格は2006 年1 月をいまだ下回っており、昨年末時点で94.6 ポイントの水準でしかない。

円高進行は自動車輸出に影響を与える。円安に進めば原油仕入れ価格の高騰は避けられない。どちら をとっても浜松市民には頭の痛い悩みとなりそうである。

グラフ:原油価格の推移
※1:原油価格 WTI ウエスト・テキサス・インターミディエート(West Texas Intermediate)の略で、ニューヨークマーカンタイル商 品取引所(NYMEX)で取引されている、原油価格の先物を用いた。1 バレル当り何ドルかで表される。
※2:相関関係 相関係数を用いた。相関係数は1 から-1 までの数値を取り、0 に近いほど関連は薄い。原油価格、軽自動車販売の相関 係数は当研究所調べで0.50。0.5 は中程度の関連があるとされる。

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