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ホーム > しんきん経済レポート > 2011年No.4 原油価格と軽自動車生産台数

原油価格と軽自動車生産台数

原油価格と軽自動車生産台数
前回は原油価格(※1)と円高について報告した。浜松は軽自動車の一大生産拠点。車両重量が軽く低燃費の軽自動車は、原油価格と関連が深そうだと推測し調べたところ、関連が見られた。今回は原油価格と軽自動車生産台数の関連について報告する。軽自動車生産台数については年間の生産台数を、原油価格は毎月の終値の平均をその年の原油価格として捉え、1993 年からの両者の関連を調べた。

軽自動車の年間生産台数は1999年に大きく伸びているが、これは1998年10月の軽自動車の規格変更によるものである。全体としては1993 年以降、軽自動車は生産台数を伸ばしてきていたが、リーマンショックで大きく落ち込んだ様子がグラフから見て取れる。一方、原油価格の方は、2000年以前は20ドル前後を境に安定した価格を形成していたが、近年大きく上昇している様子が表れている。
軽自動車の生産台数は見た目には増加しているように見えるが、原油価格との関連が強いのかどうか、グラフの見た目には分からない。そこで相関係数(※2)を使って両者の関連の強さを測ってみた。このグラフで表した両者の相関係数は0.5 となり、中程度に関連があることが分かった。軽自動車の魅力の一つに低燃費が挙げられるが、原油価格上昇により、軽自動車への選好がやはり強まるようだ。

軽自動車は、普通自動車に比べて価格が安く、車体も小さく、部品点数も少ない。よって経済波及効果は、普通自動車よりも劣るだろう。しかしグラフ中、前年に比べて20%も年間生産台数が伸びた1999年、その年の日経平均株価は年初めから年末まで40%以上の上昇を見せている。規格変更による軽自動車ブームも我が国の経済発展に寄与したと言えるだろう。我が国経済を支え、国民の足としても大活躍の「小さな力持ち」の軽自動車。そんな軽自動車を浜松は世に送り出し続けている。
近年、急激に価格上昇している原油価格は、新興国の発展に伴い、今後も価格上昇圧力が強まることが予想される。強まる軽自動車ニーズに応え、浜松地域が力強く前進することを期待したい。

グラフ:原油価格と軽自動車生産台数
※1:原油価格 WTI ウエスト・テキサス・インターミディエート(West Texas Intermediate)の略で、ニューヨークマーカンタイル商 品取引所(NYMEX)で取引されている、原油価格の先物を用いた。1 バレル当り何ドルかで表される。
※2:相関関係 相関係数を用いた。相関係数は1 から-1 までの数値を取り、0 に近いほど関連は薄い。原油価格、軽自動車販売の相関 係数は当研究所調べで0.50。0.5 は中程度の関連があるとされる。

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