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ホーム > しんきん経済レポート > 2011年No.17 浜松市の単独世帯

浜松市の単独世帯

総務省から先月発表された2010 年国勢調査の確定値によると、浜松市の総人口は800,866 人であり、そのうち単独世帯は85,316 人であった。単独世帯とは世帯人数が1人の世帯のことである。浜松市における単独世帯85,316 人という数値は浜松市総人口からみると10.7%である。10 人に1 人が単独世帯であり、一人暮ら しをしている、ということになる。ちなみに、東京都の単独世帯は22.2%、全国平均では13.1%となっていることから、浜松市は家族で住んでいる割合が高い地域であると言える。単独世帯と言うと、勉学に励む大学生や独り身のサラリーマンというイメージがあるのだが、実際のところはどうなのか調べてみることとした。

世代ごとに占める単独世帯の割合が一番高いのは20〜29 歳であり、19.5%という数値であった。ほぼ5 人に1 人が一人暮らしということになる。その年代であれば大半が大学生の一人暮らしと考えがちだが、必ずしもそうではなかった。20 代で単独世帯の割合が一番多いのは、大学を一般的に卒業している23 歳の22.8%であり、20 代の20%台は21〜26 歳と大学を卒業した年齢でも高位維持していたからだ。30 代以降の世代になると、単独世帯の割合はどの世代でも概ね10%程度となっており、単独世帯は平準化していた。10 人に1 人が一人暮らしということになる。一人の生活に憧れてそうしている人もいるし、自立した女性もいるし、仕事により止む無く単身赴任している人もいる。また、年配の人ともなれば配偶者に先立たれた方もきっといるのではないか。

各世代において10 人に1 人は単独世帯となると、それなりの市場規模になるのではないだろうか。単独世帯の消費ニーズは他の世帯には無い特有のニーズも存在するであろう。市場のボリュームという観点もさることながら、世帯の単身化や非婚化、高齢化、女性の社会進出など、質的な観点も含めて市場を捉えると新たなビジネスチャンスが見い出せるかもしれない。



本稿は11 月17 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
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