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経営革新計画の承認件数が伸び悩み

経営革新計画の承認件数が本年度伸び悩んでいる。経営革新とは中小企業が「新商品のアイデアがある」や「他にはないサービスを展開したい」などの新たな取り組みであり、経営の向上を目指すことである。経営革新計画の承認を受けた企業は低利の融資や税制上の優遇があり、補助金などの支援を受けることができる。そして、何より経営革新計画の策定・実行は販路拡大や利益増加へ繋がることが期待できる。県に対して3〜5 年に基づく事業計画を策定し、審査を得て、それが認められると経営革新計画の承認企業となる。

静岡県での2010 年度の承認件数は506 件と2005 年度以降、右肩上がりで増加してきた。承認件数は全国でも2 位となっており、それ以前でも常に上位を位置している。県西部地域においても県全体の承認件数増加に応じて概ね増加推移してきた。ただ、今年度はなかなか承認件数が積み上がらない。例年3 月には承認件数が急増するものの、前年度と同じ件数に到達するには残り3 ヵ月で県265 件、西部地域94 件と相当数の承認が必要となる。

昨年は東日本大震災が起きた。節電や円高の高止まり、さらにはタイの洪水といった外部環境の悪化が次々と起き、腰を据えて自らの経営を見直す余裕がなかったことも事実であろう。震災により国の支援が強化されたことから、他の支援制度の利用が進んだということも考えられる。ただ、こうした有事の状況下でも企業の優勝劣敗は確実に進んでいる。さらに来年度末には金融円滑化法の延長の終わりも見込んでおり、返済猶予を受けていた企業は何としても資金繰り是正に向けた経営改善計画への取り組みが必要となる。ますます自社の技術やサービスの追及、または独自技術やノウハウ・工夫に基づく新商品・新事業への取り組みが必要となるのではないか。

どのようなものが経営革新として承認されるか、静岡県のホームページの経営革新計画承認企業一覧に掲載されている。産業支援団体や金融機関などが経営革新についての取り次ぎや相談・アドバイスを行っているので、是非とも自社の武器として経営革新計画に臨んで頂きたい。

本稿は2 月2 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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