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企業のBCP策定状況

東日本大震災やタイ大洪水では、製造業のサプライチェーンが寸断され、直接の被害がなかった浜松地域にも大きな影響を与えた。このため、従来からの防災対策に加え、事業の継続や早期復旧することの重要性を改めて認識する契機となった。そのための計画はBCP(事業継続計画)と呼ばれており、東日本大震災後はBCPに関するセミナー・講習会が増えてきている。

浜松地域の中小企業におけるBCP策定率(しんきん経済研究所調査)をみてみると、2012年3月時点の策定率(予定含む。以下同じ)は14.9%にとどまっている。2009年9月調査(以下、前回調査)と比較すると、策定率は上昇しているが、上昇幅は3.6ポイントと小幅にすぎない。地域全体でみると、BCPはまだ十分に普及していない。

ただ、従業員規模により策定状況が大きく異なる。従業員101人以上の企業に限ってみれば、BCP策定率は68.9%に達している。前回調査と比較しても34.9ポイントと上昇しており、ここ数年で策定率が急速に高まっている。従業員31〜50人、51〜100人規模の企業も策定率はそれぞれ24.6%、31.8%と未だ低いものの、前回調査と比較すると高まってきている。地域全体の策定率が伸び悩んでいるのは、回答企業の約7割を占める従業員30人以下の企業の策定率が低いからだといえる。

企業規模が小さい企業の策定率が低いのは、「そもそもBCPを知らない」と「日常業務が忙しく策定する余裕がない」が大きな要因。目先の問題に忙殺され、災害時の対応は後回しになっているのかもしれない。しかし、経営資源に余裕のない小規模企業だからこそ、災害時における事業継続・早期復旧は、企業の存続をかける最重要課題と言える。地域挙げての普及活動と経営者の意識改革が求められる。

本稿は3月15日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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