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業況見通し、悲観的な状況続く

 当研究所では3ヵ月ごとに景気動向調査を行っており、下図は製造業の業況判断指数(DI)を時系列にまとめたものである。黒色の実線が調査時点の業況感を、灰色の点線は3ヵ月後の見通しを表したものであるが、 業況の変化だけでなく、見通しを通じて経営者の潜在的な心理状況を窺い知る事もできる。2008年から2009年3月にかけて業況は見通し以上に悪化した。リーマンショック直後を反映した2008年12月期では業況と見通しとの間に27.9ポイントもの大幅乖離が生じた。景気悪化懸念に楽観的もしくは想定以上の悪化であったことが分かる。2009年6月は予想通りの悪化となり、その後、業況の悪化に一定の歯止めがかかった。2010年3月以降、業況改善が続いた。前回のエコカー補助金終了や東日本大震災により一旦は落ち込んだものの再び改善は続く。しかしながら見通しは業況を下回る状況が長らく続いており、経営者の心理状況は悲観的なままだ (2011年6月の見通しには調査時点で震災を盛り込んでいない)。このような見通しに対する弱気な姿勢が良くはなりつつもまだまだ本格的ではないことの表れであろう。もちろん将来に対する不安感がなくなることはなくモヤモヤ感が晴れることはないと思うが、経営者が「悪い」と思っているうちは従業員も引きずられてし まう。業況DI が0 以下なのは「悪い」と答えた先の方が多いからであるが、世の中全体の景気が悪くても「良 い」会社はしっかりと存在する。直近調査でも「良い」と答えた先は3.9%、「やや良い」とした先は20.6% いた。見通しが厳しいうちは攻めの姿勢も取りづらい。業績向上や従業員のやる気を引き出すためにも経営者は誰よりもモチベーションを高く保たねばならない。

業況DIの推移( 製造業)

本稿は7月19日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
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