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日照時間の長い浜松市、再生可能エネルギーでビジネスチャンスを

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気の買い取りを国が電力会社に義務付ける「固定買取 制度」が7 月にスタートした。太陽光発電1 キロワット時あたり42 円を始めとして買取価格は採算 性が考慮されており、再生可能エネルギーを利用した発電設備の導入を検討している事業者には追い風と なる。

 浜松市は「新エネルギー推進事業本部」を発足、新エネルギーに係る施策や推進を行うとしている。浜松市 が自前の電力供給として考えているのは、太陽光・風力・バイオマス・中小水力の再生可能エネルギーと小規 模火力発電。再生可能エネルギーは全国各地で導入を目指しているが、浜松市の日照時間は全国トップクラス であり、太陽光発電に向いた地域であるといえる。下のグラフは他の政令指定都市と比較した平成23 年の年 間日照時間であるが、浜松市は2,386 時間と最も長い。日照時間が長いほど投資回収は早まる。この恵まれた 気象条件を活かして浜松市では事業者に市有地を貸し付けるモデルでのメガソーラー発電が進んでいる。

 できればこの流れを再生可能エネルギーの普及だけでなく、ビジネスチャンスにもつなげたい。再生 可能エネルギー分野への参入だけでなく、関連ビジネスにも拡大の余地はあろう。特に省エネビジネス については新たな事業分野として、中小企業にもチャンスは十分にある。今後は再生可能エネルギーの 買取により電気料金の上昇が考えられる。省エネ設備やコスト削減を狙ったビジネスモデルは十分に成 り立つであろう。

1 年間の日照時間

本稿は9月6日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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