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浜松市の待機児童数の推移

「待機児童」とは、認可保育園への入園を希望しているにもかかわらず、入園できない児童のこと。浜松市の 2012 年4 月1 日時点の待機児童数は166 人。前年に比べ51 人増加した。ここ数年で、保育園の定員数も増加 しているが、入園希望者も増加しているため待機児童数は高止まりしている状況にある。

待機児童がなかなか解消されない理由の一つに、景気低迷による共働き世帯の増加がある。今現在の生活を 支える必要がある世帯はもちろん、将来的に雇用不安が続き賃金水準が上昇しないことを見込んで共稼ぎを希 望している世帯も多い。

また、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境を積極的に整備し、女性が育児休暇を 取りやすくなっているにも関わらず、それに伴って保育施設が充実していないことも、待機児童が解消 されない一つの要因といえる。待機児童を年齢別にみると、一番多いのが1 歳の待機児童で、育児休業 明けの人達が仕事に戻る時期と重なっている。はままつ子育てネットワークぴっぴの原田理事長による と、「どのタイミングで子供を産めば、育児休業明けに希望する保育園に預けやすいか」といった相談も あるという。

なお、待機児童数には、最初から認可保育園への入園をあきらめている人数は含まれておらず、潜在 的な待機児童は公表されている人数よりも多い模様。ぴっぴの原田理事長は「待機児童の問題は単なる 社会福祉の問題ではない。潜在的待機児童家庭も含め、働きたくても働けない人が多いということは、 労働人口の減少から地域経済にとっても大きな損失」と語る。

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本稿は10 月18 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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