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高速道路インターチェンジ、出入状況の推移

新東名が開通して7 ヵ月が経過した。開通前後のインターチェンジ(以下、IC という)の出入状況を調べたところ(各5 月1 日〜10 月31 日比較)、現東名の浜松IC では1 日あたりの交通量が開通後1,836 台(6.8%)減少した。同様に浜松西IC でも364 台(1.5%)の減少となった。一方、三ヶ日IC については365 台(4.7%)増加した。新東名が開通したことで浜松市内の東名IC の出入状況は58,673 台から56,838 台と1,835 台(3.1%)減少したものの、新東名を合わせた出入状況は66,667 台と7,994 台(13.6%)増加しており、交通手段としての利便性は増したといえる。

ただし、新東名の開通により高速道路上の交通量が二分されたことを考慮すれば、浜松市内での現東名から新東名への乗り換えは少ない。観光や物販をメインとする施設や企業では積極的なPR活動によって集客増となったところもあるが、他の業種では目立った動きは聞かれておらず、売上増加や商圏拡大といった話題は今のところ限定的である。せっかくの大型インフラであり話題性もきわめて高く、しかも新東名の西の終着地点
は今のところ浜松市である。道路が出来れば新しい経済の需要も生まれるが、何も手立てをしなければただの通過点となってしまうことだろう。高速道路の交通量も増加しており、チャンスは大いにある。外からの客を呼び込みチャンスをものにするためにも、地域・企業・住民が一体となって新東名を生かしたサービスや商品開発に取り組む必要があるのではないか。

1日あたりのIC出入交通量

本稿は12月6 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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