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アベノミクスと中小企業

昨年末以降、アベノミクス効果により株高・円高是正が進み、長らく続いた閉塞感打破への期待が高まっている。では、地元中小企業はアベノミクスによる景気押上げ効果をどのように感じているのだろうか?

しんきん経済研究所が3 月上旬に行った調査によると、景気押上げ効果を感じている企業は24.9%。一方、景気押上げ効果を感じていない企業は43.1%と感じている企業を18.2 ポイント上回っている。この結果だけみると、「景気押上げ効果は限定的」とネガティブに捉えることもできる。しかし、株価は景気に先行して動くものであるし、円安になった場合、輸出増よりも先行して輸入物価が上がってしまう傾向がみられる。そのため、株価上昇・円高是正が実体経済に好影響を与えるまで半年〜1 年のタイムラグがあり、現在はその過渡期にあるといえる。また、昨年12 月に今年の景気予想をたずねたところ、「良い」の2.2%に対し、「悪い」は83.0%と圧倒的に「悪い」と予想している企業の方が多かった。3月の調査とは設問項目が異なるため単純比較はできないが、明らかに中小企業のマインドが向上している。よって「徐々にアベノミクス効果が浸透してきており、すでに4社に1社がすでに景気押上げ効果を感じている」とポジティブに捉えたい。

ただし、従業員規模別にみると従業員規模が小さいほど、景気押上げ効果を感じていない企業の割合が高まる傾向がみられる。特に、従業員20 人未満の企業は景気押上げ効果を感じていない企業が多く、むしろ資材や燃料高といったアベノミクスの副作用に苦しんでいる。アベノミクスの3本の矢(「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」)を推し進めていくと同時に、アベノミクス効果が広く浸透するまでに現れる副作用を和らげるための「盾」も必要である。

グラフ:政権交代後の景気押上効果を感じているか

本稿は5月2日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
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