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女性の労働力率

安倍首相は、成長戦略を語るスピーチ(成長戦略の第一弾発表)において、「女性の活躍は成長戦略の中核」と述べ、女性を日本の成長の原動力と位置付けた。具体策をみると「3年育休」など議論が分かれる内容もみられるが、女性の活躍が経済の活性化につながることに異を唱える人はないだろう。
女性の活躍はあらゆる分野で望まれるが、その中でも第3次産業は女性が活躍できる職種が相対的に多い。浜松市は、他の政令指定都市と比較して第3次産業の伸び代が大きく(詳細はリサーチニュース11号参照)、女性の活躍がより期待されている地域といえる。
浜松市の女性の労働力率(就業者と失業者の合計が人口に占める割合)を年齢階層別にみてみると、20歳代と45〜49歳が山で、出産・育児期にあたる30〜34歳が谷となるM字型のカーブを描いている。M字カーブは全国共通の傾向だが、浜松市の場合、全国と比較すと30歳代が低く、40歳以降が高くなっているため、よりはっきりとしたM字カーブとなっている。
今後、M字を台形型に近付けることが、浜松市の持続的発展のため必要である。10年前と比較すると、M字カブの底が浅くなってきているが、これには女性の晩婚化(非婚化)や晩産化による影響も多分に含まれている。雇用・保育環境の改善、社会の意識の変化等により、仕事と子育てが両立しやすくなってきているとはいえ、女性を対象とした両立支援策だけではM字カーブ解消は難しい。先月公表された「少子化社会対策白書」によると、子育て世代の男性は、長時間労働をしている割合が高く、育児への参加が進んでいないとの指摘がある。女性の両立支援策は勿論、男性の働き方、さらには税制・社会保障等の問題も含めたパッケージでの対応策が求められる。

グラフ:女性の労働力率

本稿は7月4日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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