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TPPの影響

先月、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に日本が初めて参加した。遅れて参加したことに加え、交渉内容の秘密保持が厳しいため、今のところ限られた情報しか伝わってこない。しんきん経済研究所では、今年6月、県西部地域の中小企業約600社に対し、TPP参加による本業への影響についてアンケート調査を行っている。調査結果をみると、「どちらもいえない」が62.0%と最も多かった。「どちらともいえない」と回答した企業の多くは、「プラスマイナスが拮抗している」という意味ではなく、「限られた情報のなかでは、判断できない」という意味で回答していると思われる。なんらかの影響があると回答した内訳をみると、「良い影響がある」が9.1%、「悪い影響がある」が5.4%となった。無論、「良い影響がある」「悪い影響がある」とも限られた情報のなかで判断しているし、誤った情報をもとに判断している可能性もある。また、TPPの詳細が明らかになるにつれ、「どちらともいえない」と回答した企業が「良い」「悪い」のどちらに転じるかもわからないが、現時点では、県西部地域の中小企業全体でみれば「良い影響がある」が「悪い影響がある」を上回っている。業種別にみると、製造業は「良い影響がある」が「悪い影響がある」を約10ポイント上回っているのに対し、非製造業は「悪い影響がある」が「良い影響がある」を上回っている。もっとも、中小企業の場合、TPP参加のような外部環境の変化を「良い影響」か「悪い影響か」を判断することが重要ではない。環境変化の影響を判断したうえで、「チャンスを活かす」「ピンチを克服する」ための戦略を立て、実践することが重要である。

グラフ:TPPの影響

本稿は8 月1 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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