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舘山寺温泉の宿泊客数の推移

来年の3月21日から約3ヵ月間にわたりフラワーパークとガーデンパークで浜名湖花博10周年を記念した「浜名湖花博2014」が開催される。最寄りの宿泊地である舘山寺温泉にとっては一大イベントとして観光客を呼び込む絶好のチャンスとなる。舘山寺温泉の年間の宿泊客数をみると、浜名湖花博が開催された2004年には前年比10.3万人増加の66.3万人となり、宿泊客増加に大いに貢献した。また、2012年には新東名が開通、43.3万人と前年比で2.7万人の増加となった。

ただし、前回花博の翌年の2005年には前年比13.8万人の減少、前々年と比べても3.5万人の減少となった。また、直近2013年1〜9月時点の宿泊客数をみると前年同期比で1.6万人の減少となっており、どちらも前年増による反動減がみられる。1990年代以降の宿泊客数はイベントのあった年を除くと総じて減少の傾向にあり、1991年の71.1万人と2012年を比べれば27.7万人もの宿泊客がこの20年で失われた格好となる。

宿泊客の減少を食い止めようと、浜名湖かんざんじ温泉観光協会では遠州道中膝栗毛といった企画を数年前より始めた。ガーベラ摘みやカキ剥き見学、浜名湖競艇のVIP観戦などといった通常の個人旅行では味わえない宿泊客限定のプチツアーを毎日実施、リピーターを増やす取り組みを行っている。今回の花博を大いに盛り立てたくさんの方に来てもらうとともに、今回も一時的な増加に終わらぬよう、来年以降の宿泊客数増加に繋がる様々な魅力発信を地域一体となって仕掛けていく必要があろう。

グラフ:舘山寺温泉の宿泊客数の推移

本稿は12月5日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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