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浜松市民が花と緑に求めること

10年前に開催された花博が「花博2014」として先月再開を迎えたわけだが、かねてより浜松市は花や草木などの花卉かき栽培が盛んな地域であることをご存じだろうか。2006年の花卉栽培における農業産出額は静岡県が全国3位を誇り、なかでも浜松市は県下1位で県の約4割を占める。市の産出額の構成比をみても花卉生産の割合は全国と比べて高い。

こうしたなか、市は「花と緑のまち・浜松市」事業を進めている。市が2012年に実施した市民アンケートでは“この事業にどのような役割を求めているか(複数回答)”との問いに対して、「花や緑により美しいまちづくりが進む」とした回答が70%と最も高く、次いで「生活の中に花や緑が増える」が55%となった。単純に花や緑を増やす取り組みよりも、都市の景観やハードも含めた一体整備による取り組みを求める声が多い。一方、「花や緑の生産・消費が増え地域経済が活性化する」(30%)や「花や緑を目的に浜松地域を訪れる観光客が増える」(27%)といった産業面での取り組みを求める反応はやや鈍い。これは「花卉産業の振興には力を入れなくてもよい」とういうよりは、おそらく浜松市民であっても花卉の栽培が盛んであることを知る人が少ないからではないか。今後は市民に知らしめていくことが必要であろう。

日々の暮らしや生活の中で、花や緑に憩いや癒しの空間を求める人は多い。それは市民だけでなく、他地域から市を訪れた人もそうであろう。今回の花博を機会に花卉栽培を盛り上げ、花や緑が美しいまちを目指してはどうか。市民の暮らし向きが向上するとともに、地域特色を活かした浜松市の魅力として外に発信していくことができるのではないか。

グラフ:浜松市民が花と緑に求めること

本稿は4月17日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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