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浜松市の外国人宿泊者数

国土交通省中部運輸局がまとめた2013 年の東海4 県における市町村別の宿泊旅行統計調査によると、静岡 県で外国人宿泊者数が最も多い自治体は浜松市の年間延べ17 万人であり、静岡市は5 万人であった。東海4 県での最も外国人宿泊数の多い自治体は名古屋の64 万人で、浜松市と比べて4 倍弱の宿泊者数を誇る。名古 屋市に次いで多いのが高山市の30 万人、浜松市は3 位にある。
大都市の名古屋市はさておき、高山市は外国人観光客の人気が高い。高山市は知る人ぞ知る“ミシュラン” の旅行版の“三つ星”にランク付けされる地域であり、東京・京都・奈良と並んで三つ星の意味するところの 「わざわざ旅行する価値がある」と評される数少ない地域である。ちなみに名古屋は一つ星、浜松市はランク 付けされていない。
全宿泊者数に占める外国人の比率をみると、浜松市は5%であるのに対して高山市は14%と高い。名古屋市 も8%であることから、浜松市の比率は相対的に低いと言える。
国内人口の減少によって観光需要も次第に減少していくことが予想されるなか、外国人観光客は新たな顧客 として期待される一方で、浜松市は外国人の比率が低く、通過点としての宿泊が多くみられる。今後は京都や 富士山などの国内の外国人に人気の観光地との連携を密にし、浜松にも滞在してもらえるような独自の魅力づ くりや工夫などの明確な誘客戦略を持つことが必要であろう。

グラフ:浜松市の外国人宿泊者数

本稿は7月17日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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