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大企業と中小企業の景況感

3、6、9、12月の4半期毎に当研究所が実施している景気動向調査。調査対象企業から景気が「良い」「普通」「悪い」との回答を得て、そのうちの「良い」から「悪い」割合を差し引いた「業況判断指数(DI)」により、目に見えない景気を数値として表す。日本銀行でも短観として公表され、短観は景気判断や金融政策の決定にも用いられる重要な指標である。
日銀短観における大企業の製造業のDIは前回(6月)調査から1ポイント改善の+13となり、増税後の落ち込みから脱しつつあるとされる。日銀の金融政策決定会合や内閣府の月例経済報告でも景気は「緩やかに回復」としているが、当地域の中小企業の景況感はどうか。
当研究所が調査した中小企業の製造業(以下、中小企業)と日銀短観における大企業の製造業(以下、大企業)の景況感を比べると、以下の傾向を読み取ることができる。第1に、中小企業は大企業と比べて数値が10から50低い。つまり、中小企業は大企業よりも景気の「悪い」企業が多く、「良い」企業が少ない。第2に、中小企業が0を上回ったのは2007年以降で1度きり。それ以外の全期間において、「良い」企業より「悪い」企業の方が多いのである。第3に、中小企業の景気は下がる局面では大きく下がりやすい。大企業からのコストダウンや受注削減、材料費値上げ等、景気悪化の影響を真っ先に受けるのが中小企業だからである。
2009年から現在にかけての中小企業の景況感は改善が進み、マイナス解消が目前へと迫る。ただし、円安による原材料価格高騰や10%への消費税増税等、景気が失速する懸念も残る。中小企業の景況感が悪化しないよう、中小企業の成長を後押しする経済対策や景気を底支えするための支援が必要であろう。

グラフ:消費税率引上げによる駆け込み需要とその反動

本稿は10月16日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
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