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防潮堤整備事業の市民理解度

大地震に伴う津波で浸水が想定される公立学校が全国に、2,860校あることが、文部科学省の集計で判明した。浜松市内では22校の市立学校が浸水区域に立地(浜松市教育委員会)しており、県立学校、市立学校等も含めると、約30校が浸水区域に立地している模様。屋上に避難する段階の設置や、避難訓練の徹底などの対策は進んでいるが、学校単位でできる対策には限界があり、地域全体で減災に取り組む必要がある。
現在、大きな減災効果が期待できる防潮堤の整備が、浜名湖から天竜川川口までの約17.5kmにかけて行われている。浜松市が今年6月に行った市民アンケートによると、防潮堤事業は全市で取り組むべき事業であると思うかたずねたところ、「思う」が74.2%と、「思わない」の6.1%を大幅に上回った。
行政区別でみると、海に面している西区、南区は「思う」の回答割合が他区と比較して高いが、突出しているわけではなく、全ての区で「思う」が「思わない」を大幅に上回っている。防潮堤整備事業は、居住地に関係なく、自分自身や家族・知人の命、職場や学校などを守る事業として全市で取り組むべき事業であると捉えており、一刻も早い整備が望まれているといえよう。
もっとも、大きな減災効果が期待できる防潮堤とはいえ、過度な依存は禁物だ。常日頃の危機意識・対策が重要なのはいうまでもない。

グラフ:防潮堤整備事業の市民理解度

浜松市「第41回市民アンケート調査」をもとに作成

本稿は11月6日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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