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従業員規模別の景況感

3、6、9、12月の4半期毎に当研究所が実施している景気動向調査。直近9月調査における製造業の業況DIは-7(当研究所発行の景況レポートでは-6.9、本稿では小数点第1位を四捨五入)。消費税が8%に引き上げられて以後初めての調査となった6月調査と比べて5ポイントの改善となったが、前々回の3月調査の水準(-2)には戻っていない。一方、非製造業の業況DIは前回より2ポイント悪化の-22。個人消費者との距離が比較的近い非製造にとっては、消費税増税の影響は大きく、多くの企業で回復の見通しは立っていない。
本稿No.19では大企業と中小企業の景況感について、いくつかの傾向を示したが、その中小企業規模をさらに細かく分類するとどうか。9月調査の製造業における景況感の内訳を下のグラフに記載した4つの従業員規模に分けた場合、10名以下の企業の景況感は「良い」が12%、「普通」が54%、「悪い」が34%、となる。4つのなかで、「良い」割合が最も高いのは101名以上の31%で「良い」が最も低いのは10名以下の12%であった。一方、「悪い」割合が最も高いのは10名以下の34%で、「悪い」が最も低いのは101名以上の18%であった。
規模が小さくなるほど景況感が良いとする企業の割合が低くなり、また、規模が小さいほど景況感が悪いとする企業の割合が高くなる。これは規模の小さい企業の方が受注減少や収益圧迫の悪影響を受けやすいためと考えられる。
ただし、従業員規模の小さい企業にも景気の良い企業は少なからず存在するし、大きい企業だから景気が良いとも限らない。景気が悪いと感じている企業は、一度、自社の強みや弱みといった現状を洗い出してみてはどうか。小さいから景気が悪いと悲観することなく、自力で自社の業況を良くするための手だてを講じていくことが大事である。

グラフ:製造業の景況感の内訳

本稿は11月20日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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