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まちなかと駐車場

先月、浜松市のまちなかで、駐車場2時間無料化の実証実験が行われた。静岡新聞(11月19日朝刊)によると「駐車場無料化導入協議へ」との見出しで、実証実験を踏まえ、多くの駐車場事業者と商店が参画できる制度づくりを検討するとしている。しんきん経済研究所が行ったアンケート調査(2014年1月)によると、駅前周辺市街地とモール型SCの利用理由をたずねたところ、「駐車場が利用しやすい」の回答割合の差が最も大きかった。
ただし、無料駐車場を備えていても、閉店・撤退に追い込まれる郊外大型店があるように、まちなかの魅力が小さければ、駐車場無料化の効果の小さなものにとどまる。「駐車場が利用しやすい」に次いで差が大きかったのは、「多くの店があって一度に買い物ができる」となっており、まちなかに買い回りする場所が少ないことを示している。その他、「家族連れで行きやすい」「時間がつぶせる」といった回遊性や滞在時間に関連する項目も、モール型SCに劣っている。本来なら、交通費・駐車場料金を払ってまでも来街する価値のある場所がまちなかのはずだが、まちなかの回遊性は失われてしまっている。
その問題意識を一番強く持っているのが、今回の実証実験を計画した「浜松まちなかにぎわい協議会」だろう。まちなかの回遊性向上が目的で、駐車場無料化は目的達成を後押しする一手段にすぎないことがわかる。駐車場無料化はあくまで「きっかけ」であり、まちなかの魅力向上のための持続的な取り組みが、より重要といえよう。

グラフ:浜松駅周辺市街地とモール型SCの利用理由の比較

資料 しんきん経済研究所「買い物環境調査」

本稿は12月4日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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