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年代別の転入増減人数

総務省が2月に公表した2014年の住民基本台帳人口移動報告によると、静岡県は転出者が転入者を上回る転出超過が7,240人となり、2年連続して全国ワースト2位となった。浜松市は転出超過の390人となり、県内ではワースト7位。政令指定都市間で比べた場合、静岡市はワースト2位、浜松市はワースト5位となった。

浜松市の年代別の転入増減人数をみると、転出超過の最も多い年代は10歳代であり、転入超過の最も多い年代は20歳代である。これは、他地域の大学や専門学校等に進学した後に浜松市にUターン就職した場合や、近隣の他地域よりも就職の受け入れ先が多い浜松市に転入したことなどが主な要因と考えられる。そのほかの世代では、10歳未満および30歳代から50歳代の各年代で転出超過、60歳代以降の全ての年代で転入超過となっている。

高校卒業後の進学によって10歳代が転出超過となるのは止むを得ないにしても、働き盛りの30歳代から50歳代が転出超過となっているのは深刻な問題であろう。さらに、子育て中の世帯の転出によって、その子供たちも転出しているようだ。一方で、シニア世代がいずれも転入超過となっているのはプラス材料である。

より良い都市を形成していくためには、それぞれの世代で増加減少している要因を探り、雇用創出や子育て環境の整備等、減少を食い止める対策や増加を伸ばす取り組みを進めていくことが必要である。2015年度に策定される「地方人口ビジョン」および「地域版総合戦略」の施策に注目したい。

年代別の転入増減人数

総務省の住民基本台帳人口移動報告を基に加工作成

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