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製造品出荷額等の推移からみた浜松のものづくり

下の図は製造品出荷額等の推移を、2003年を基準(=100)に指数化したもの。まず全国の指数をみてみると、リーマンショック前のピーク時には及ばないものの、指数は111と2003年を1割程度上回っている。次に静岡県をみてみると指数はゆるやかに回復、2003年とほぼ同水準になっている。一方、浜松市をみると、リーマンショック前はもちろん、2003年の水準と比較しても約2割下回ったままだ。浜松と同じく輸送用機器産業の割合が高い愛知県が全国を上回るペースで回復しているのと対照的だ。

浜松市の製造品出荷額等がなかなか上向かない要因は多岐に渡る。一つは浜松地域内での生産拠点広域化。浜松市から工場が近隣都市に移転すればその分、浜松市の製造品出荷額等は減少する。もっとも、域内での生産拠点広域化の流れは、地域にとって決して悪いことではない(浜松市役所にとっては大きな問題かもしれないが・・・)。

問題なのは、当地域の中小製造業者の多くが携わる自動車・二輪関連産業の受注構造が大きく変化してきていること。近年、自動車部品に占める電装品の割合が高まっているが、それら電装品の域内調達率が愛知県よりも低い。スズキ・トヨタ業務提携の背景にある先進・将来技術の分野も当地域の中小企業が苦手とする分野だ。また、浜松地域は自動車に加え、二輪車生産も主要産業の一つとなっているが、リーマンショックを境に生産水準が切り下がっている。海外生産の進展は言うに及ばずだ。

従って、循環的な景気回復を待っているだけでは、他地域と比較して回復感が乏しい状況が続くと思われる。現状を打破するためには、次世代の自動車技術への対応、今まで培ってきた加工技術の他分野への応用など中小製造業者自らの主体的な経営革新が不可欠である。

図表 製造品出荷額等の推移(2003年=100)
出所 経済産業省

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