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社長の年齢別に見た後継者の有無

しんきん経済研究所では中小企業景気動向調査の調査先(546社)を対象に事業承継に関するアンケート調査(3月実施)を行った。その中で、後継者の有無についてたずねたところ、全回答者ベースでは「後継者はすでに決まっている」と「まだ考えていない」はほぼ同率(約35%)で多かったが、社長の年齢別にみると、回答傾向に大きな差がみられた。

「後継者はすでに決まっている」は、50歳代までは20%未満となっているのに対し、60歳代は49.2%、70歳代以上は66.7%と年齢が高まるに伴い高くなっていく。「後継者はすでに決まっている」と「後継者はいるが、まだ決まっていない」を合算した『後継者はいる』は50歳代が43.6%、60歳代が71.9%、70歳代以上は85.2%となった。

一方、「まだ考えていない」は20歳代、30歳代は83.3%と高いが、50歳代は42.9%と過半数を割り込み、60歳代は16.2%、70歳代以上は2.5%となった。総じてみれば、中小企業の社長は50歳代になると事業承継を意識し始めるようだ。中小企業の大半(95%以上)は同族企業で、経営の承継に加え、財産の承継対策も重要だ。また、経営の承継も、肩書を社長にするだけでなら簡単だが、取引先や従業員に“代表者”と認知されるまで時間がかかるケースもある。

中小企業白書(2014年版)によると、「現経営者が考える後継者の育成に必要な期間」として「5年〜10年」が最も多い。最低5年はかけて事業承継に取り組む必要があろう。今は駅伝シーズン真っ只中。テレビを見ていると、襷をつなぐ必死さが伝わってくる。事業承継を意識し始める50歳代といえば、経営者としてこれから脂が乗る年齢かもしれないが、次世代に襷をつなぐための準備も早期に始める必要がある。

 

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出所 しんきん経済研究所

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