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滞在人口の比較

RESAS-リーサス-(地域経済分析システム)は地方自治体の様々な取り組みを情報面から支援するため、“まち・ひと・しごと創生本部事務局”が産業構造や人口動態、人の流れなどのビッグデータを集約し、それをグラフや表などで可視化したシステムである。 RESASの「観光マップ」内の「滞在人口」では、どの程度の人数が域外から来ているか、またどの地域から多く来ているかなどをそのマップで把握することができる。ここでいう「滞在」とは同じ地域に2時間以上とどまることを指し、スマートフォンの「位置情報」が使われている。近年、位置情報による分析は、買い物や観光などマーケティングにも活用できるツールとして期待されている。

浜松市の休日の滞在人口をみると、人口80万人に対して150万人が滞在する。滞在人口を人口で割った滞在人口率は1.87であり、滞在人口が多いほど滞在人口率は高くなる。そのうち、県外からの滞在人口は7.6万人であり、県外からの滞在人口率は0.10となる。県外からの滞在人口が多くなれば、宿泊やお土産や外食など浜松市でお金を使ってくれる金額が増えると期待できる。

他地域における県外からの滞在人口率をみると、箱根町が2.00、千葉県浦安市が0.95、熱海市が0.69と浜松市よりもかなり高い。これらの市町は国内有数の温泉地や娯楽施設、商業施設のいずれかを持っており、県外から多くの人を呼ぶことができる。 定住人口の減少が免れないなか、滞在人口を増やして地域の衰退を防ぐことが求められている。人口減少社会で定住人口を増やしていくのは至難の業だが、滞在人口については工夫次第で増やすことができる。ただし、地方都市には大都市や国内有数の温泉地のように強烈な魅力は無く、特効薬も無いことから、地道ながらも地域資源の見直しや多くのイベント創出などによって地域を盛り上げ、少しずつでも滞在人口を増やしていく取り組みが大切である。

 

図表 休日の滞在人口率各市区町比較

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