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県西部海外展開企業数と推移

静岡県経済産業部の「静岡県内企業海外展開状況調査」は、県内企業の海外事業活動の実態を把握し、今後の産業施策及び国際化施策の推進の上で参考にすべく毎年調査されている。調査基準日は毎年4月1日となっている。

この「静岡県内企業海外展開状況調査」によると、2017年の県西部(浜松市、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、御前崎市、菊川市、森町)の海外展開企業数は211社、事業所等数は727カ所であった。規模別にみると、海外展開企業数では、全211社のうち中小企業が179社(84.8%)と大多数を占めるが、海外事業所等数では、全727カ所のうち大企業が376カ所(51.7%)、中小企業が351カ所(48.3%)と逆転している。また、地区別では県西部の企業数が県全体428社の49.3%を占め、最多となっている。市町別にみると、浜松市が企業数(137社・32.0%)、事業所等数(481カ所・37.5%)とも最多となっている。

県西部海外展開企業数の推移をみると、1990年と比べ約4倍、2000年と比べ約2倍となっている。しかしながら2015年と比べ13社減少と、ここ2年は減少傾向にある。特に中小企業の10社減少が目立つ。頭打ちになった要因としては、大企業に追随して海外展開した中小企業の動きが一巡したことと、海外進出意欲はアジア地域を中心に旺盛なものの、新規展開した企業数を撤退企業数が上回っていることが挙げられる。

浜松市でも人口減少が進展する中、成長が期待できる海外に事業展開していく大きな流れは変わらないだろう。しかし、ここ2年の減少に見られるように、進出しても赤字が続いたり、契約期間終了のため撤退した企業等もある。今一度立ち止まって、自社の強み、経営体力の見直しを図り、親会社、販売先、提携先、外部支援機関等の協力を得て、海外事業を展開していくことを期待したい。

 

出所:静岡県統計 静岡県内企業海外展開状況調査をもとにしんきん経済研究所作成
出所:静岡県統計 静岡県内企業海外展開状況調査をもとにしんきん経済研究所作成

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