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浜松市内の待機児童数は減少

女性活躍の推進や、働き方改革による就労形態の多様化などによる保育ニーズの増加に対して、それを受け入れる保育施設が足らず、「保育園に入れない」いわゆる待機児童が問題となっている。待機児童数は、認可保育施設に入所できなかった保留児童から浜松市認証保育所入所者、特定園のみの希望者、求職活動の確認ができない人などを除いてカウントしている。

浜松市の2018年4月1日現在の待機児童数は97人で、前年比71人減少した。政令指定都市に移行後、100人を下回ったのは、95人だった2008年以来10年ぶりとなる。待機児童の97人の年齢別内訳は、1歳児が84人、2歳児が13人だった。待機児童全体の約87%を1歳児が占めている。0歳児と3歳児以上の待機児童は0となり、解消した。また、区別に見てみると、待機児童が10人以上の区は多い順に、浜北区33人、中区22人、東区18人となっている。ここ数年は、同様の傾向が続いている。

2015年の407人をピークにここ3年待機児童数が減少傾向にあるのは、待機児童解消に向けての浜松市の取り組みが一定の効果を発揮していると言える。浜松市は、保育所等利用待機児童の多い地区での認定こども園や保育所の整備をすすめ、定員を拡大するとともに、少人数単位で0歳から2歳児までを対象とした小規模保育事業及び事業所内保育事業の実施により、待機児童の解消を図っている。

しかしながら、待機児童が0になったわけではない。ライフスタイルの変化により共働き世帯は増加し、育児休業を取得する人も今後も増えることが予想される。浜松市は、引き続き保育所整備をするとともに助成金制度や保育士確保のための対策をしていく必要がある。また、企業側としても、従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境を積極的に整備していくことも重要である。是非とも、来年度は待機児童が0となることを期待したい。

 

図表:浜松市の待機児童数の推移
出所:浜松市の資料をもとにしんきん経済研究所作成(各4月1日現在)

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