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浜松市の雇用情勢

2020年3月5日

厚生労働省静岡労働局が発表しているハローワークの浜松管内有効求人倍率を見ると、2016年以降景気の緩やかな拡大により、自動車関連を中心に製造業の生産が増えたことから、有効求人倍率は上昇傾向となり2018年12月はピークである1.86となった。しかし、2019年1月は1.79、2月は1.75と低下傾向となり、2019年12月の有効求人倍率は1.51であった。前年同月との比較では、1月は0.01ポイント上回ったものの2月から12月は前年同月を下回った。全国(1.57)との比較では0.06ポイント下回ったが、静岡県(1.47)との比較では0.04ポイント上回った。

次に、浜松における2019年有効求人数の推移を見てみると、1月18,363人、2月18,686人、3月18,447人と18千人以上で推移していたが、4月には16,937人となり、以降16.5千人から17千人前後で推移した。2019年は自動車メーカーの生産調整、消費増税、米中貿易摩擦の影響もあってか有効求人数は12ヵ月連続で前年同月比マイナスとなった。

今年になってから、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため中国政府が海外への団体旅行を一時中止した。それにより、訪日観光客が激減し浜松地域宿泊施設のキャンセルが相次いでいる。また、浜松地域製造業では部品調達に支障をきたし生産が滞る可能性がある。さらに、感染拡大が長期化すれば浜松市の雇用にも影響を与え求人数の減少に繋がる恐れがある。

このような状況にある中で、浜松市が雇用を増やしていくためには、「ものづくりのまち」として発展してきた浜松市の強みを活かし、地元産業力の強化によって雇用の場を創出することが大切である。

図表:2019年浜松地域の雇用情勢
出所 「厚生労働省静岡労働局資料等」を基に研究所加工作成

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