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浜松市の50歳男性、約4人に1人が結婚せず

2019年2月21日

人口減少を食い止めるため、国や地域の自治体では結婚、妊娠、出産、子育て、雇用など多方面での少子化対策に取り組んでいる。その少子化対策のうちの一つが未婚化や晩婚化を改善するための結婚を促す取り組みである。これは浜松市に限らず、結婚相手をみつけるための“婚活”に対するイベントの支援や婚活全般に関する相談など、人口が増加していた時世の行政機関では考えられないような取り組みが近年、各地で行われている。

人口や世帯状況、就業状態などを調査する国勢調査では結婚の有無に関する未婚率についても調査を行っている。その国勢調査を基に当研究所で計算した生涯未婚率(=50歳時の未婚の割合、以下未婚率)によると、浜松市の男性の未婚率は24.0%、女性の未婚率は11.9%であった。全国と比較すると、浜松市の男性は全国よりも未婚率が高く、女性は全国よりも未婚率が低い。県内で(合計特殊)出生率が高い長泉町では男性の未婚率が21.5%、女性が10.8%と浜松市と比べ未婚率はいずれも低くなっている。また、西部地域で出生率が高い袋井市の未婚率も浜松市と比べると低い。一方、出生率が低い静岡市の未婚率は浜松市と比べて高い。概ね、出生率が高い地域は未婚率も低いと考えられる。

浜松市が2015年に調査した「浜松市結婚等に関する意識調査」では、未婚者の約8割が「結婚したい、できれば結婚したい」と回答する一方で、しかしながら未婚者の約8割が「婚活していない」という回答結果となった。もちろん、結婚するしないは個人の自由だが、未婚化が進めば少子化は更に進むこととなる。地域の自治体にとっては、結婚を望む人に対して結婚しやすい環境を整えていくことが必要だろう。

図表:50歳時の未婚の割合
出所 平成27年国勢調査をもとに計算、作成

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