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浜松市の開廃業率の推移

2019年3月7日

2017年度法人市民税の届出件数から算出した浜松市の開業率・廃業率を見てみると、開業率が5.01%、廃業率が5.20%であり、開業率が廃業率を下回っている。
開廃業率の推移を見てみると、2008年のリーマンショック前までは開業率が廃業率を上回る年もあったが、リーマンショック以降は開業率の低下、廃業率の上昇のため、2009年度には開業率と廃業率の差が2.0ポイントまで拡大した。その後、開業率と廃業率の差は縮まり、2014年度には開業率が廃業率を一時的に上回った。しかし、この年は太陽光発電関連での法人設立が多いなど特殊要因があった。ここ2年は、開業率が上昇したが、それ以上に廃業率も上昇したため、開業率が廃業率を下回ったままだ。

また、2017年度の業種別開業件数は、サービス業が432件と最多で、次いで建設業132件、小売業131件、製造業81件の順となっており、この4業種で開業の7割を占めている。逆に、業種別廃業件数では、サービス業が393件と最多で、次いで製造業233件、小売業208件、建設業110件の順となっており、この4業種で廃業の8割強を占めている。開業から廃業を引いた件数で見てみると、サービス業が39件とプラスだが、製造業がマイナス152件と全体の足を引っ張っている格好だ。

浜松市も2015年7月浜松地域イノベーション推進機構、浜松商工会議所と協同で起業支援の総合窓口「はままつ起業家カフェ」を設置し、開業率上昇に貢献している。もう一方で、製造業の廃業に歯止めをかけるべく、事業承継の推進、M&Aの活用、加工技術の他分野への応用による新分野進出、イノベーションの創出など、製造業の自主的経営革新も期待される。

図表:50歳時の未婚の割合
出所 浜松市の資料をもとにしんきん経済研究所作成

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