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浜松市民の消費動向の変化(穀物編)

2019年3月21日

総務省統計局がまとめている家計調査。家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することが本来の目的だが、「餃子購入額日本一」を浜松市と宇都宮市が毎年争っているなど、品目別の県庁所在地・政令指定都市ランキングで注目を集める計である。浜松餃子の知名度が上がったのは、浜松市が政令指定都市に移行し家計調査の公表対象自治体になったことが大きい。浜松市が公表対象自治体になってから10年が経過、調査結果も蓄積されてきた。そこで、この10年間で浜松市民の消費動向がどのように変化したかをみてみたい。今回は穀物について。

まず、年間の消費支出をみると、0.1%減でほとんど変わっていない(08年、18年とも379万円)。食料全体でも2.3%増と変動幅は小さい。消費支出と食料に占める割合は10年前とあまり変化がないといえる。そうしたなか、穀物の購入金額は10年前から12.6%減少している。

主な品目をみてみると、「米」が30.3%減と減少幅が大きい。一方、「パン」は5.7%増と購入額が増加している。10年前の年間購入額は「米」(36,699円)が「パン」(23,175円)を上回っていたが、現在は「パン」(29,779円)が「米」(25,577円)を上回っている。この金額はあくまで購入金額であり小売価格の変動(例えば米が値下がりしたなど)を考慮する必要があるが、この10年で米からパンへ主食が変化してきていることがうかがえる。

「めん類」は9.2%減少した。ただし、「麺類」のなかでもカップ麺や即席麺は購入額が増加している。米よりパン、生麺よりもカップ麺というように、どちらかというと調理に手間がかからない食品の購入額が増えている。浜松市民の食の嗜好が変わってきた一面もあるが、共稼ぎ世帯の増加などライフスタイルの変化が食生活にも及んでいるといえよう。

図表:家計調査からみた消費動向の変化(穀物編)*2008年と2018年の比較
*総務省家計調査をもとにしんきん経済研究所作成

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