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浜松市の女性就業率及び正規雇用者比率

2019年8月1日

国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口」(2018年推計)によれば、浜松市の人口は2045年には約70万人に減少、中でも生産年齢人口は、現在の約48万人から36万人に減少すると推測されている。政府の提唱する「働き方改革」は、懸念される労働人口の減少を補う施策として打ち出され、女性が働きやすい環境作りにも力を入れている。

下のグラフは、主要政令指定都市の女性(15〜64歳)の就業率・正規雇用者比率(いずれも2015年)を表したものである。女性の就業率は、浜松市が最も高く65.8%で、大阪市の53.0%と比較すると、12.8ポイント上回っている。この数字をみると、浜松市は他の政令指定都市と比較すると、女性が働きやすい環境が整っていると言える。しかしながら、正規雇用者比率をみると、浜松市の46.7%をはじめ、全国的に女性就業者全体の半数以下の数字となっている。

近年、政府が女性活躍の推進を進める中で、女性の就業率は増加傾向にあり、管理職など重要なポストに女性を登用する企業も増えてきている。一方で、特に既婚者の場合、本来は正規社員として働きたいと考えているものの、出産や育児により労働時間が制約されることから、本業や世帯主としての就労ではなく、家計をサポートするために非正規社員として働いている女性も少なくない。

今後、人口が減少していく中で、女性の活躍は必要不可欠となる。しかし、雇用する側が、女性の働き方を理解して組織改革をしていかなければ、本当の意味での「女性活躍の推進」にはならないのではないだろうか。女性の就業率が全国的に高い浜松市及び地元企業には、全国に先駆けた取組みや環境整備を期待したい。

図表:女性(15〜64歳)の就業率・正規雇用者比率
出所 平成27年国勢調査結果(総務省統計局)を基に研究所加工作成

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