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浜松市内シティホテルの稼働率

2020年4月16日

浜松市は、浜名湖、中田島砂丘、舘山寺温泉、フラワーパーク、フルーツパークなどの観光資源を持っている。また、浜松まつり、徳川家康、楽器、オートバイなど観光コンテンツも豊富である。さらに、うなぎ、ふぐ、浜松餃子などご当地グルメもあり、四季を通じて美味しいものがたくさんある都市だ。

浜松市内シティホテルの年平均稼働率の推移をみると、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災で稼働率が50%台に落ちたが、その後インバウンド(訪日外国人観光客)の増加もあり、2015年からは 80%近い稼働率で推移している。2019年もインバウンドを中心として好調に推移、ラグビーワールドカップが追い風となり、79.1%と高い稼働率となった。

しかしながら、2020年に入り状況は一変した。新型コロナウイルスの感染拡大が直撃し、浜松市内のホテル・旅館の予約キャンセルが発生しているのだ。特に中国人の団体ツアーの中止が相次いでいる。終息の兆しが見えない中、一般宴会の自粛など更なる打撃が懸念される。実際に2020年2月の稼働率は56.7まで落ち込んでいる。ちなみに、東日本大震災直後の2011年3月の稼働率は47.3%であった。

日本の人口減少によって、国内観光需要も次第に減少していくことが懸念される中、新型コロナウイルスが終息すれば、インバウンドの回復が期待されるが、浜松は通過点としての宿泊がいまだ多くみられる。今後は、宿泊だけでなく、中心市街地の回遊性を高めたり、浜松の観光資源を活用した滞在型の観光を強化していく必要がある。さらに、京都や富士山などの国内の人気観光地との連携を密にし、浜松を滞在型宿泊の拠点にすべく、個人客の誘致やリピート客をつかむような「おもてなし戦略」を持つことも必要であろう。今こそ、浜松の観光に対して知恵を出し合い、この難局を乗り越えていきたいものである。

図表  浜松市内シティホテルの年平均稼働率の推移
出所:浜松市内シティホテルの稼働率資料をもとにしんきん経済研究所作成

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