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浜松市の喫煙状況

2020年5月21日

2020年4月1日から「改正健康増進法」が全面施行され、多くの施設が原則禁煙となった。2002年に制定された「健康増進法」により、様々な場所で禁煙や分煙の取組みが行われてきたが、努力義務であったため、店舗や施設によって対応も違い、普及が進まなかった。こうした状況から、2018年7月に「健康増進法」の一部が改正され、本年4月1日から全面施行するに至った。これにより、利用者の多い鉄道や工場、ホテル、飲食店等の施設が原則屋内禁煙となったが、中でも飲食店は大きな影響があると言われている。喫煙者の多くは飲食店で煙草が吸えなくなったら困るという意見が多く、特に酒類を提供する飲食店では喫煙する来店客の減少が懸念されているようだ。

では、実際に浜松市の喫煙者の割合はどの程度なのだろうか。下の図は2013年・2016年の20歳以上の喫煙状況を表したものである。2016年をみると、「吸わない」人の割合は75.9%であるのに対し、「毎日吸っている」と「時々吸う日がある」を合わせた『吸っている』人の割合は18.3%となっている。2013年と比較すると2.2ポイント減少しているものの、浜松市の20歳以上の人口が約680千人(2019年10月現在)であることを考えれば、実に123千人余の喫煙者がいることになる。

浜松市には約3,500店の飲食店があり、その約6割が従業員4人以下の小規模店舗である2016年経済センサス)。こうした小規模店舗には経過措置も認められており、一定条件を満たせば今まで通り喫煙可能とすることもできる。一方で、受動喫煙のリスクを考えれば、女性客や煙草を吸わない顧客の減少も懸念される。3月以降、新型コロナウィルスの影響により、飲食業では今もなお厳しい状況が続いており、現状では、禁煙・喫煙による客足への影響は定かではない。早期の終息を願うばかりであるが、飲食業においては、終息後に客足が戻った後も、禁煙対策についての課題が残ることが懸念される。

図表  浜松市の20歳以上の喫煙状況
出所:「国民生活基礎調査」を基に研究所加工 作成

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