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「ふるさと納税」で新型コロナ対策
2020年8月20日
「ふるさと納税」は応援したい自治体(都道府県・市区町村)に寄付できるしくみである。寄付したお金のほとんどが税金の控除というかたちで戻ってくるため実質2,000円で地方のお礼の品を受け取ることができる大変魅力ある制度である。「ふるさと納税」は2008年から始まった制度で、2015年「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されてから利用者は増加傾向にある。
浜松市の実績金額はどうだろうか。2014年度は31百万円だったが2018年度は935百万円と大幅に増加している。2018年度の「ふるさと納税」金額を静岡県の他市町村と比べてみると、県庁所在地である静岡市は185百万円で浜松市が750百万円上回っている。しかし浜松市の「ふるさと納税」金額は、焼津市の3,163百万円、藤枝市の1,879百円を大きく下回っている。浜松市の「ふるさと納税」返礼品には、ウナギを始め、浜松餃子、特産品の遠州織物、楽器など他市町村に負けない魅力的な返礼品がたくさんある。魅力をアピールして「ふるさと納税」金額を増やすことはできないだろうか。
現在、浜松市でも新型コロナウイルスの感染拡大で多くの業種に多大な影響が出ている。国は、新型コロナウイルス感染症対策として、「持続化給付金」、「特別定額給付金(10万円)」などで支援しており、浜松市も「浜松市3密対策事業者支援事業」「新型コロナウイルス感染症対策基金」等で支援している。しかし、影響を受けている法人、事業者は多く必ずしも十分な支援とはなっていない。
「ふるさと納税」で納税額が増えれば新型コロナウイルス感染症対策支援資金を増やすことができる。また、「ふるさと納税」が増えれば比例して返礼品納入業者も受注が増える。「ふるさと納税」は売り上げ減少に悩む事業者を支援する有効な手段となる。現状、新型コロナウイルス感染症の収束目途が立たず厳しい状況が続いているが、力を合わせてこの難局を乗り切っていきたい。
出所:静岡県ふるさと納税統計データをしんきん経済研究所で加工