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ピアノの街浜松の復活はあるか♪

2020年10月1日

新幹線浜松駅のプラットフォームを降りると、ピアノの音が聞こえてくる。浜松を訪れる旅人が、グランドピアノを誰かしら弾いている。コロナ禍で演奏利用は休止していたが、9月に再開した。まさに「音楽の街浜松」を象徴する光景である。このピアノは、ほぼ100%が県西部地域で生産されている。

静岡県楽器製造協会の調査によると、2019年における静岡県内でのピアノの生産台数は、前年比2.4%増加の36,177台となった。ピアノの生産は、1980年頃ピークを迎え、その後は生産台数の減少が続いている。2008年のリーマンショック後は、一時大幅に生産が落ち込んだが、その後ここ10年は、横ばいで推移している。しかし、2020年に入り、新型コロナウイルスの影響で地元楽器メーカーの生産停止や音楽教室と楽器店の休講・休業により、4月以降生産台数が落ち込んでいる。

ピアノの生産が減少あるいは横ばいとなっている要因として、少子化などもあり家庭へのピアノの普及が一巡したこと、安価・省スペースで演奏を楽しめる電子楽器の普及などが挙げられる。さらにピアノは自動車や家電のような買い替え需要が見込みにくい。このように成熟した国内市場で各メーカーは、音楽教室事業の充実、新製品の開発などで新たな需要を掘り起こそうとしているが、新ブランドが浸透し始めるには、数年かかることもあり、国内での需要増は簡単ではない。

ピアノを製造するには、他の楽器に比べ、鉄工・鋳造・木工・塗装・表面処理など数多くの技術が必要とされる。今後、中小のピアノ部品関連製造業は、設備の老朽化等が課題となっている中、ピアノ製造で培った技術を活用し、新分野へ進出するのも一案である。また一方で、浜松市は音楽を中核にした街づくりを具現化するピアノコンクールなどのイベントを通して、「音楽の街浜松」のブランド認知を粘り強く高めていく必要がある。ハード・ソフト両面での活動が今求められている。

図表 静岡県ピアノ生産台数の推移
出所: 静岡県楽器製造協会の資料をもとにしんきん経済研究所作成

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