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コロナ禍で激変した消費動向

2021年2月18日

昨年の浜松市のぎょうざ購入額が宇都宮市を抑え2年ぶりに日本一となった。日本一の根拠となっているのが、総務省がまとめている家計調査。その家計調査をみると、2020年は新型コロナウイルスの影響で、家計の消費動向が激変した。

浜松市の一世帯当たりの消費支出合計は前年比9.0%減少した。ただし、あらゆる分野が押しなべて10%程度落ち込んだわけではなく、急減した分野もあれば、逆に増加した分野もある。

落ち込みが大きいのは「宿泊料」「交通」などの旅行に関連する分野で前年比6割以上落ち込んだ。秋には各種キャンペーンにより回復の兆しをみせたが、年末にかけて感染者が急増、再び低迷している。

「入場・観覧・ゲーム代」も30.5%減と落ち込みが大きかった。外出機会が減ったため、「被服及び履物」も25.7%減と落ち込んだ。「外食」は24.8%減と旅行・レジャー関連よりも落ち込みが小さかった。ただし、内訳をみると食事中心の分野は前年比プラスの分野もある一方、「飲酒代」は77.3%と大幅に落ち込んでいる。同じ外食でも業態によって明暗が分かれているようだ。

逆に巣ごもり関連分野の消費は増加した。生活家電、冷暖房器具、家具などの「家庭用耐久財」は53.9%増となった。テレビ、パソコンなどの「教養娯楽用耐久財」も30.1%増と堅調だった。

コロナウイルスが収束すれば、旅行やレジャーなど、現在我慢している需要は、一気に爆発するだろう。一方、コロナ禍の生活様式が定着する分野もあろう。例えば筆者は、通勤手段を公共交通機関から自転車に変えたが、想像以上に快適で、コロナが収束したとしても自転車通勤を続けるつもりだ。コロナが収束したら、外食を楽しみたいが、テイクアウトやデリバリーも利用し続けるだろう。企業も、自分達の事業分野がコロナ前後でどのように変化していくかを見極め、対応していく必要がある。

図表 コロナ禍で激変した浜松市民の消費動向(対前年比)
出所:総務省「家計調査」をもとにしんきん経済研究所作成

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