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米がパンを再逆転

2021年3月18日

ここ数年、日本では「パンブーム」が続いていることをご存じだろうか。発端は2010年前後から有名雑誌でパン特集が組まれるようになってからだと言われている。近年では、その「パンブーム」の中でも「高級食パン」を専門に製造・販売している店舗が人気を集めているようだ。ここ浜松市でも、2017年頃から食パン専門店が進出、現在でも休日には行列ができるほど人気を博している。一方、日本人の食生活の変化や、こうした「パンブーム」等の影響により、それまで主食であった米の消費金額は減少傾向にあると言われている。

では浜松市においては、パンと米の消費量はどのように変化しているのだろうか。下のグラフは1世帯あたりの年間の米とパンの消費金額の推移を表したものである。2014年までは米がパンを上回っていたものの、2015年にはパンが上回り、2016年には再び米が上回ったが、2017年には再度逆転、2019年の年間消費金額はパンの33,707円に対し、米は24,952円と実に8,755円もの差がついてしまった。米の消費金額は2014年には県庁所在地及び政令指定都市52都市中1位であったが、その後は減少傾向が続き、順位を落としていた。

ところが、コロナ禍にあった2020年は、その傾向に変化が起き、米(30,430円)がパン(28,895円)を再び上回る結果となった。パンの減少については、巣ごもり生活により、パン作りがブームになったことやコンビニ等でのパンの購入が減少したこと、米の増加については、家庭での食事の機会が増えたこと等が要因として考えられる。

奇しくも、2020年の家計調査では餃子の購入金額が宇都宮市を上回り、2年ぶりの日本一となった。餃子といえば、主食は「米」である。コロナ禍において、米の国内需要が落ち込み、米余りが深刻化している今こそ、餃子をおかずに米を食べることをお勧めしたい。

図表 1世帯あたりの米とパンの年間消費金額(浜松市)
出所:総務省 家計調査より研究所加工作成

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