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減少に歯止めがかからない出生数

2021年5月20日

浜松市の出生数の減少に歯止めがかからない。出生数の推移をみると、2006年の7,814人から2020年には5,628人となり、この間で2,186人減少した。ちなみに2006年生まれは、早生まれを除けば現在中学3年生で高校受験を迎える年代。大雑把に言えば、昨年生まれた子供達が高校を目指す頃には、一学年300人規模の高校が今よりも7校不要になる計算となる。

今後も、出生数は減少すると見込まれるが、特に今年は、新型コロナウイルスの影響でさらに落ち込むと予想される。昨年生まれてきた子供達は、コロナ禍の大変な時に生まれてきたとはいえ、妊娠時は感染拡大前だった人が大半だ。コロナ禍で妊娠を控えた影響が、出生数減少として現れるのはこれからだろう。

出生数が減少する一方、死亡数は増加傾向にある。2006年の死亡数は出生数を1,479人下回っていたが、2011年に死亡数が出生数を上回り、2020年にはその差が2,890人まで広がっている。今後も差が開くのは確実で、大幅な人口流入超が続かない限り、人口減少が加速していくだろう。

出生数の減少は、社会保障制度の持続性、地域経済の縮小など多様な問題を生じさせる要因となる。とはいえ、子供を産む・産まないは個人の自由であり、行政はもちろん他人が関与する問題ではない。

しかし、子供を産みたいという希望を叶えたり、子育てしやすい環境を整備することは行政の役割であり、その結果、出生数の減少に歯止めがかかることは社会全体に有益だ。そのため、国・地方を問わず少子化対策に力を入れており、「こども庁」創設に向けた動きもみられる。「こども庁」では子育て関連政策を一元的に担う期待がある一方、創設自体が目的化してしまうと、新たな縦割り組織が増えるだけに終わってしまう懸念もある。

「子どもを産み育てやすい環境整備」という軸を見失わずに議論を深めてもらいたい。

図表 浜松市HPをもとにしんきん経済研究所作成
出所:浜松市HPをもとにしんきん経済研究所作成

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