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コロナショックとリーマンショックの違い

2021年7月15日

しんきん経済研究所が行っている景気動向調査の最新結果(6月調査)がまとまった。業況DIは‐24.5となり、マイナス水準ながら4四半期連続で改善した。もちろん、飲食や宿泊業など極めて厳しい業況が続いている業種もあり回復度合いは2極化しているが、全産業ベースでみれば、コロナ前の水準に近づいてきている。点線で示したリーマンショック時はショック前の水準まで回復するのに約3年かかっているのと比較すると、明らかに速いペースで回復している。

パンデミック(コロナショック)と金融危機(リーマンショック)で、回復ペースに差が生じている要因の一つとして「お金の動きが止まった」か「人の動きが止まった」かの違いがある。

 

リーマンショック時は、金融危機により経済の血液ともいえるお金の動きが止まってしまい、個人消費や企業の設備等といった経済活動がストップ、世界同時株安の状況が続いた。金融危機から脱するため様々な経済対策が打ち出されたが、その効果が表れるまで時間が掛かった。

今回のコロナショックは、人の動きが止まってしまった。お金の動きも昨春には一時的に止まり、株価も急落した。しかし、ショックを和らげるために、「一人10万円の給付金」「持続化補助金」「実質無担保・無利子融資」などの政策が短期間で総動員され(しかも世界中で)、お金の動きも急速に回復した。

当地の主力産業である自動車産業をみてみると、リーマンショック時も今回も工場の稼働停止を余儀なくされた。しかし、リーマンショック時は、「売れないから作らない」状況だったのに対し、今回は「部品が調達できないから作れない」「作ることができれば売れる」状況と中身が大きく異なっている。

リーマンショック時と比較して早期に回復したとはいえ、今後も回復を続けるかというと不透明感が漂う。ワクチン接種が進み、人が動き出せば、飲食や宿泊業などは急回復するだろう。一方、コロナ対策で、身の丈以上にお金が出回っている。それを平時の状態に戻そうとすると、お金の動きが鈍くなり経済が停滞する懸念もある。

 

図表 「コロナショック」「リーマンショック」前後の業況DIの推移
出所:しんきん経済研究所

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