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浜松市の世帯数の増加と自動車保有状況

2021年9月30日

浜松市の人口が減少していることは周知のことであるが、世帯数が増加していることはあまり知られていない。世帯数は2011年以降2020年までの10年間で2万5098世帯の増加が見られ、全世帯数は34万2553世帯となった。全国的にもほとんどの市町村で人口減少、世帯数の増加傾向が続いており、浜松市も例外ではない。世帯数の増加の理由は、高齢者と若者の単身世帯の増加と一般的に考えられている。
一方、浜松市の自動車保有台数の推移はここ10年間で67万台から68万台と微増しているが、その内訳は変化してきている。特に注目すべきは軽自家用車の増加と自家用小型自動車の減少である。

浜松市の軽自家用車(貨物車除く)保有台数の推移を見てみると、自動車保有台数が2008年にピークを付けた後も増加し、2020年の保有台数は、19万7383台となった。そのため、自動車保有台数の総数に占める軽自家用の割合は、2011年の31.6%から右肩上がりに上昇し2020年には36.2%となっている。ここ10年で4.6ポイント増加した半面、自家用普通自動車は2万3720台増加しているものの、自家用小型乗用車の減少により自家用乗用車合計では3673台減少した。その結果、世帯当たりの軽自動車保有比率は2011年の34.1%から2020年には39.8%まで高まっている。

軽自動車がこれだけ増加している理由として、手頃な購入価格に加えて維持費が安いこと、軽自動車の性能が普通車並みに上がっていることは論を待たないところであるが、世帯数の増加も寄与していると考えられる。

軽自動車は女性、若者や高齢者が主なユーザーであるが、世帯の保有する車が軽自動車の充実度からサブの車両からメインに近い存在になりつつあり、世帯数の増加と軽自動車台数増加の相関が高いと考えるのは間違いではなかろう。EV化や安全装備等のメーカー間の開発競争が激しくなる中で、さらに魅力ある軽自動車が出てくることに期待したい。

図表 世帯数の増加と軽自動車保有台数の推移
出所:静岡県「静岡県の自動車保有台数」浜松市人口動態の資料をもとにしんきん経済研究所作成

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