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コロナ禍でのウッドショック

2021年12月2日

住宅の柱や梁(はり)に使われる欧米産木材の日本国内での調達が困難となっている。世界的な木の争奪戦「ウッドショック」が生じている状況で、県内でも建材不足に伴う住宅着工の遅れや、国産合板の値上がりなど価格の高騰へ懸念が広がっている。林野庁がまとめた木材貿易状況によると、ウッドショックの背景にあるのは、コロナ禍の在宅需要と住宅ローンの低金利を受けた米国内の住宅市場の活況が挙げられる。また、海上輸送コンテナ船不足も逆風となり、北米産木材はコロナ前の約2.5倍まで高騰した。木材需要の約7割を輸入に頼る日本での影響が深刻化している。

しんきん経済研究所が行っている中小企業景気動向調査の中で、建設業における材料価格についても聞いている。2020年6月調査から2021年9月調査(直近調査)までの1年間の材料価格DI(指数)の推移を見ると、2021年3月までは20前後で推移していたが、9月には60.9へと急上昇している。ウッドショックの影響が県西部地域の建設業にも出ていることがうかがえる。

一方で、製材業を見ると、世界的な輸入木材の調達難を受け、県産材の引き合いが高まっている。中には、全国から木材の依頼が殺到しており、需要に生産が追いつかない会社もある。今回のウッドショックは、県産材のシェア拡大の好機とみることもできる。ピンチはチャンスである。

現在、新型コロナウイルスの感染が落ち着きをみせ、経済活動が徐々に再開してきているが、ウッドショックの木材をはじめ、半導体、金属、原油、穀物など幅広い品目で値上がりが進んでいる。ウッドショックは、輸入量が徐々に回復して、住宅に使う国内価格の上昇が鈍り始めているが、少なくとも年度内は影響が続くと考えられるので、市場が求める良質な材木の生産体制を整えていく必要があるのではないだろうか。

図表 建設業の材料価格DIの推移
出所:しんきん経済研究所(景況レポート)

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