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推し 中小企業白書

2021年12月30日

例年9月に浜松市から公表される「浜松市の市税のすがた」では、前年度に設立+設置(初めて浜松市に拠点を開設)された開業法人数と休業・解散・廃止・清算決了した、廃業法人数が示されています。過去からの趨勢として廃業率が開業率を上回る状況は、浜松市のみならず全国的にも見られます。

昨年度は開業率が4.47%,廃業率は5.00%と開業率と廃業率の乖離が0.53ポイントと縮小し、コロナ禍の中でフロンティア・スピリットを持った開業者が969先もあったことに敬意を表します。

なぜ新規開業した事業者が増加したかの分析を行うため、各種統計データを見たところ特定できる資料を探すことができませんでした。但し各種資料を見ていく中で非常に目を引かれる資料に行き当たったため、なぜ興味を持ったのか、また皆様に参考にしていただきたい一事例を紹介いたします。

それは「中小企業白書」。弊職も勉強のために、バブル崩壊前後を中心に書店で白書を購入していましたが、当時はマクロ的な分析が多く内容が自分のレベルでは難解であり、頭に入りにくい存在でありました。以後自然と見る機会もほとんど無く現在に至りました。

今回廃業の要因を把握するためネット検索で「中小企業白書」を改めて目を通したところ、様々な中小企業の課題に対し、全国で前向きに取り組んでいる事業者の事例紹介が多数掲載されていました。私が記憶している過去の白書とは様変わりで、非常に読みやすく親しみやすさも感じました。

一例として広島県府中市の看板製造業の螢織謄ぅ傾美社は、コロナ感染症の影響で看板広告の注文がほぼ全てキャンセルされ、昨年3月の売上はほぼゼロに。東京五輪延期もあり大量のアクリル板在庫を抱えましたが、若手の提案で「感染防止パーテーション」を1週間で製造ラインの構築までこぎつけ全国から受注殺到。この他にも、「既存商品・サービスの提供方法見直し」、「販売対象の見直し」、「新たな商品・サービスの開発」、「事業分野の見直し」事例など様々な好事例が掲載されています。

過去の白書と比較すると豊富な事例があり、今後の経営のヒントとなる白書がWEBで無料閲覧ができますので、年末・年始に検索いただければ幸いです。それでは皆様、良い新年をお迎えください。

図表 浜松市法人開廃業率推移
出所:浜松市 業態別法人市民税諸届け出件数を基に研究所加工作成

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