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コロナ禍の消費行動

2022年2月17日

Withコロナが3年目に突入しようとしている。ちなみに、2年前(2020年2月17日)の新聞には、「ダイヤモンドプリンセス号で新たに70人感染」「中国と接点の見えない感染経路が相次ぐ」「16日に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(第1回)を開催」といった記事がみられ、対岸の火事だった新型コロナウイルスが、身近な脅威に切り替わりつつあった頃であることがうかがえる。

この2年間で我々の消費行動も変化した。総務省「家計調査」で、浜松市の一世帯当たりの消費支出をコロナ前(2019年)と比較すると、最も支出が落ち込んだのは、「宿泊料」「交通」などの旅行に関する分野で、2020年は約6割落ち込んだ。2021年は若干回復したものの、コロナ前と比較してまだ半分の水準だ。「被服及び履物」「外食」も、2021年は前年比回復したが、コロナ前の水準まで戻っていない。「入場・観覧・ゲーム代」は、2021年になっても支出が回復せず落ち込んだままとなっている。

コロナ禍で支出が増加した分野もある。典型的なのは、生活家電、冷暖房器具、家具などの「家庭用耐久財」。巣ごもり需要や定額給付金効果で2020年は54%増加した。2021年は需要が一巡し、前年比減少したものの、コロナ前との比較では12%上回っている。「家事用消耗品」やテレビ、パソコンなどの「教養娯楽用耐久財」は、2年連続で支出が増加している。

コロナが収束すれば、この2年間で落ち込んだ分野の支出回復が見込まれる。一方、Withコロナも3年目となり、新しい生活様式も普通の日常になりつつある。コロナ禍というトンネルを抜けた先は、コロナ前に戻るのではなく、今までとは違う消費行動になっているだろう。

図表 コロナ禍で変化している浜松市民の消費行動(対2019年比 単位%)出
出所:総務省「家計調査」をもとにしんきん経済研究所作成

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