リサーチニュース リサーチニュース

ホーム > しんきん経済レポート >EV(電気自動車)の普及について

EV(電気自動車)の普及について

2022年3月17日

地球温暖化による異常気象は二酸化炭素(以下CO2)の排出が要因の一つと言われている。日本全体のCO2排出量の約2割が自動車などが排出する排気ガスとされており、走行時にCO2を排出しないEV(電気自動車以下EV)やガソリンと電気を併用したHV(ハイブリッド車以下HV)、PHV(プラグインハイブリッド車以下PHV)など電動車の普及に向けた取り組みが強化されている。

2021年静岡県自動車保有台数調査によると、浜松市の乗用車全保有台数298,772台のうち、電気自動車等(EV・HV・PHV)は70,050台で乗用車全体の23.4%を占める。しかしEVは1,236台、保有割合は0.4%と低く、浜松市ではEVの普及には至っていない。一方、乗用車台数の推移をみると、2017年からの5年間で、ガソリン車は20,625台減少したのに対し、EVは368台増加、HVとPHVは18,542台増加しており、ガソリン車からHVへシフトしていることがわかる。

EVが普及しない背景には、バッテリーの充電設備が少ない、航続距離の問題、ガソリン車に比べて車体価格が高いなど様々な要因が考えられる。トヨタ自動車は、2030年までに世界でEVを350万台販売し、EVの研究開発費に4兆円を投じるなど電動化戦略を鮮明に打ち出した。国もグリーン成長戦略の中で、2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%の実現や車載用蓄電池の目標設定、充電インフラ15万基の設置など具体的な取り組み方針を示しており、自動車のEV化は確実に加速していくと思われる。

脱炭素社会実現のためにはCO2を排出しないEVの普及は欠かせない。技術が進歩し充電インフラの設置などが進めば、EVの導入意欲も高まり、普及が急激に進むことも期待できる。2035年、EVの販売台数がガソリン車を逆転しているかもしれない。

図表 2021年 浜松市燃料別自動車保有台数割合(乗用車)
出所:「静岡県自動車保有台数調査」をもとにしんきん経済研究所作成

しんきん経済レポート一覧へ